1000%拡大コピー

家が川沿いにあるからか、灯りに誘われて様々な虫が集まってくる。

大半は小さくて名前も知らないような虫ばかりだけど、ガガンボだけはひときわ目立って、今日”も”いるということを意識させる。

 

近寄ると活発に飛び回って、もともと大きな存在感をさらに強調してくる。

その上、灯りに誘われているようないないような、不思議な飛び回り方をしている。

 

壁をバウンドするように

灯りに近づき遠ざかり

 

動きの目的がよくわからなくて、何のために生きてるんだろう、なんて傲慢な思いが浮かんだこともあった。

今は違う。

人間だって同じなんだ。

 

灯りをお金に置き換えてみよう

灯りを恋愛に置き換えてみよう

灯りを承認に置き換えてみよう

灯りを…

 

なんだ、変わらないじゃない。

 

ぼくは今、無駄に電気を点けて、ガガンボを飛び回らせている。

社会は朝、自然の光をきっかけに、ぼくを動き回らせる。