キンキョーホーコク

応援しているアイドルグループの所属事務所がミュージカルに挑戦されるとのことで見に行ってきました。鑑賞したのは22日夜(初日)、および24日昼(最終日)の2回です。

舞台芸術にほとんど触れてこなかったわたしでも想像以上に楽しめました。演劇の面白さにようやく気づけたので、これからアンテナを広げて他の演劇も見てみたいなと思っています。本当にありがとうございました。

 

以下、感想

鑑賞前の心持ち
・これまでの人生を通して舞台芸術の鑑賞経験は皆無で、映画やドラマについても年に見るのは10本程度であまり多くはない。
・演劇の見方を知らないことと、これまで印象的だった作品にミュージカルがなかったこともあって、楽しめるかどうか少し不安を感じていた。
・その中で鑑賞を決めた最大の要因は、配信を通して最も好きなメンバーの経験や懸ける想いを聞いたことだった。

鑑賞後の感想

ストーリーについて
・個人的に小説なども含め物語に触れる前には、先入観を持たないようほとんどあらすじを読まないようにしているのだが、今回の演目は起承転結のしっかりしたストーリーで、演劇の鑑賞経験に乏しいわたしでもそのシーンで何が行われているのかを理解しながら楽しむことができた。
・真壁先生を筆頭に登場人物それぞれが素直にまっすぐ生きていることが伝わってきて、鑑賞後は忘れていた青春を取り戻したようなとてもさわやかな気持ちになれた。
・短い時間で登場人物も多かったが、演者の方々の力も相まってすべての人物に対してその人となりを自分なりに理解することができた。
・ただ欲を言えば、もっと長い公演時間の中で、削られてしまったであろうシーンも含めてさらに深く作品世界を味わいたいとも感じた。シーン切替の前後で表情が変わっていたり、関係性が進展していた間に、彼女たちは何を思い、どのように行動していたのだろうか。

演劇での表現について
舞台芸術に人生でほとんど初めて触れたが、その表現の面白さや魅力を幾許か感じられたと思う。
・そもそもこれまで舞台芸術を鑑賞してこなかったのは、先入観によって没入感への不安を抱いていたからだった。映像作品であれば、その画面に映るものはすべて作品を作り上げた人たちの意図が反映されており、鑑賞する際には画面をそのまま見ていればよい。一方、演劇では空間が舞台の上だけに限られており、背景や小道具大道具にも物理的な制約が大きいという印象を持ってしまっており、芸術鑑賞にただでさえ不慣れなわたしがしっかりと物語世界に没入できるのか不安があった。そんな思い込みがあって、芸術に触れようとする際の選択肢として舞台芸術の優先順位は低かった。
・そんなこともあり初日の公演前はちゃんと楽しめるのだろうかと少し緊張しながら舞台を眺めていたが、一旦物語が始まれば、人の動きや息遣い、場面を効果的に演出してくれる美しい照明によって想像以上にすんなりと物語世界を感じることができた。舞台の上にちゃんと学校があって街があった。
・鑑賞中は特に、生の人間が同じ空間で発する言葉の力強さに引き込まれた。激しい感情が乗った言葉は強く、揺れ動く心から放たれた言葉は繊細で、それが明確に伝わるのは言葉たちがまさに目の前で放たれているからこそなのだろう。
・また、立ち姿や歩き方、微妙な指や脚の動きなど、映像作品を見ているときにわたしがあまり意識してこなかった部分にも物語の世界を感じ取れた。

演劇という表現の面白さや特殊性
・舞台は一期一会だというのがまさに特殊であり面白いところであると感じた。2回同じ演目を鑑賞したが、出された言葉自体は同じであったとしても、発するタイミング、言葉の間に少しずつ違いがあり、受ける印象も(物語の雰囲気が変わらない程度に)異なるものだった。たとえ長い公演期間があったとしても、その時演じられた世界はその瞬間にしか存在しない。これは映画やドラマなどの映像では経験しにくいことなのではないか(同じ映像を見て印象が異なるとすれば、それは自分の経験や感覚が変化したからだと思っている)。
・以上は演者の方々に目を向けた内容だが、一方で鑑賞者側の態度にも特殊性があるように感じた。舞台は映像のように隅々まで構築されたものではなく、より幅広い範囲で視点を動かすことができる。物語を追う中で特に好きな登場人物を見つけたとして、別の人物にスポットが当てられたシーンを迎えたとき。おそらく映像では切り取られてしまうであろう場所にいるその人が、どのように立って、どんな表情でそのシーンを見つめているのだろう。そう思いながら、スポットライトに照らされた空間から少し離れた場所を眺める。他の人物の言葉を聴き、それぞれの関係性が進展していく間に、わたしの視界はその人だけを捉えている。そんな少し不思議な体験が面白く、心地よかった。そして、視線を舞台上で自由に動かせるからこそ、さまよう眼球を釘付けにしてくれるほどの演技が目の前に現れた時の感動は非常に大きく、それは舞台だからこそ味わえる魅力だと感じた。


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たわごと
ほんまアイドルも演技も経験してない奴の戯言やけどなんか理想というかありたい姿を目指して表現していくってとことか一つ一つの舞台がその時の最高を出すかけがえのない瞬間であるってとことかが両者に共通点を勝手に感じててでもあんまファン層被ってない感じやしやっぱり違う領域だろうしその離れたところから自分のことを眺めたらこれまでもやもやしていた部分がはっきり見えたみたいなのはわたしでも感じたことがあるくらいいろんな分野に普遍的なことやと思うしそんな経験を積んだ後のステージってどうなっていくのだろうって楽しみで一方のわたし自身も演劇を通して新しい視点を得られたはずだからこっちも楽しみ方の幅を広げていくぞって感じてこれからもよろしくどうぞ(一息)