20230728

ネット上の性格診断ではいつも、「好奇心が強い」という欄に「その通りです」と答えていた。表現はまちまちだが、正の方向に最も強い回答を絶対に選んでいた。過去の自分は知らないが、少なくとも自我を意識できるようになってからは「その通り」の人間なのだと強く思い続けていた。

証拠だってある。

大学では文系理系問わず幅広い講義に興味を持って臨んでいた。色々な人たちと色々な話をした。振り返ればその場限りだった人間関係も、いくつも構築してきた。誘われればどうしようもないとき以外は参加した。

音楽を聴き漁った。美術展にも足を運んだ。何に心を惹かれ、何に心を惹かれなかったのかを振り返るたび、自分がより自分らしくなっていく気がした。

修士まで出た分野とは全く異なる業種に行った。学問という括り以外の部分でも、人と人との関わりとか、社会の仕組みとか、感じられるものはあまねく自分の感性に落とし込んできた。決算書が読めるようになった。

社会人になってから自発的な学びの時間がなくなったと感じた。だから本を読み漁った。分野は問わず、とにかく内容が面白そうであれば貪った。動画サイトも自分の感性を涵養させる一つのツールだった。少しでも興味があれば一度は確かめてみた。

仕事をやめ、また迷っている中で、結局は高校時代に全く興味の持てなかった分野に携わっている自分に気づく。おまけに今の自分はそれを面白いと思いながら取り組んでいる。当時は気づかなかった、本当によくできた仕組みやそれを考えたり利用したりできる人たちの賢さ。知れば知るほど、立ち向かえば立ち向かうほど、何か人間社会にまでポジティブな感情を抱くほどである。

 

少なくともここ15年くらいはそうやって過ごしてきた。だから、性格診断では迷いなく回答してきた。

だが今週はとても疲れてしまった。気持ち的には一日中寝ていたいくらいに。

 

なぜかと言えば、新しいことに向き合ったから。頭の使い方を全く知らない分野に挑むことになったから。

口ではそういうことも幅広くしたいなんて言っていた。だけどいざそうなってみれば、今の段階では疲れしか振り返ることのできる感情がない。土日を挟んでやり切れるだろうか、そんな不安も抱いてしまう。

新しいことって、こんなに負担だったっけ。

老化なのか何なのか。それを早めに見定めておかないと、何も新しいことを吸収できない人間になりそうである。